代表挨拶 あむえこねっとについて
「昔、編み物は島を救ったことがある」という言葉が私の記憶の中にあります。
史実なのか、物語なのか、記憶の基は定かではありません。
2011年3月11日東日本大震災以降、ずっとこの言葉が私の中にありました。
編物講師の仕事をして15年近く、何かできることはないかと考えながら過ごしていました。
2012年5月 知人の紹介でようやく福島県相馬市を訪ねることができました。
(相馬市は地震、津波、原発で被害を受けている地域)
仮設住宅の集会所で、編み物教室が開かれ、材料が不足する中でも、笑顔で編物をされている姿に
何か役に立たなくてはと感じました。
その後、すでに、エコたわしの販売活動をされている方と意見交換し
○ 仮設暮らしで仕事がない
○ 編物をしていると、嫌なことが忘れられる
○ 使ってくれる方を思って編むと楽しい
○ 一人になる夜にやることがあってうれしい
○ 働いて得たお金で外食に行ける 等々
貴重な意見をお聞きし、活動を決心しました。
現地を訪ね、復興の長期化・個人のケアの難しさ・何かできることを探していらっしゃる方がいること、
また、何度も被災地に行くにはボランティアでは限界がある事を実感し、
被災地の方の自立・生きがい・復興支援と同時に私たちも長期な支援を可能にする。
目的で賛同してくれた友人と一般社団法人を作りました。(2012年9月設立、2013年2月より会員募集)
現在、被災者の作られたエコたわしの販売(イベントや個人向け)と仮設住宅での手編み講習会をしています。
今後の活動は、仕事を希望する方が一人でも多く活躍できるように、また購買される方に納得し、喜んでいただけるような、製品を作り(エコたわし以外でも)販路を開拓して、仕事にしていくこと。
一方で要望の多い、仮設住宅集会所や学校での講習会を開催し、編物の持つ癒しや温かさを届けながら
技術指導や、現地指導者の育成をしていくことを目指して行きます。
私たちが、お手伝いすることによって、
被災地の方に「忘れていません」という私たちからのメッセージを
被災地の方から「頑張ってるよ、忘れないで」という私たちへのメッセージを 長く届けていきたいと思います。
皆様のご協力 どうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人 あむえこねっと 代表
一般社団法人日本編物文化協会 特別会員 手編み指導員
笹久保 孝子